指輪の好みを聞かれる。左手にはめて欲しいということだ。
左手。これはもうプロポーズ前夜ということでしょう。
深く考えるより先に、わたしの軽薄なお買い物魂が燃え上がる。
どうせならTiffany がいいんじゃない?と。
左手薬指なら、シンプルなプラチナの折れそうに細いデザインがいいと、かねてより思っていた。あまりに太いと、かまぼこのようになってしまうし。
内側にメッセージとか名前とか刻印するのってわたしは嫌いだなあ。が、彼からならメッセージを受け取りたい気持ちにすらなる。
彼がわたしをおいて亡くなったあと、わたしはひとりじっくりとその意味を噛みしめるのだ。おじいさんったらあんなことを言っていたけど……。
美しい。自分が先に死ぬのは到底考えられない。なぜ?なぜならわたしはいつだって健康優良児。疲れやすい体質なんですよ~と言っても、身体検査や健康診断の値がそれを嘲笑ってしまうのだ。
こうやってふたりだけのことと考えれば、結婚はそれほどおかしな話とも思わない。
ところが、彼の指に自分への永遠の愛を捧げる証が光ると思うと、ちょっと憂鬱ってか、疲れ?を覚えるのだった。
そうした類の疲労感がもっとも放出するのは、彼が選手としてプレーするサッカー姿の左薬指にきらりと光るという図だ。わたしへの愛の誓い。
わたしは間違っても“部活のマネージャー・タイプ”ではない。むしろそういうサッカー選手タイプに、男女平等な場で闘いを挑むタイプだ。つまり勉強、人気、発言力。
どっちがオピニョンリーダーとして影響力を持っているのか?といった暗黙の尺度を常に持ち歩いている女の子。彼らに抱くのは、ずばり競争心だ。
「いつか奴らに勝ってやる……(ああいうタイプって男性社会の象徴)」暗い情熱を燃やした高校時代。机の下で足元をすくって、こかす(関西弁)くらいの勢い。
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