理想とするカップル

とうとうわたしは彼と結婚できるのだった。決して不当に手に入れたわけじゃない。こんなに長い間ひとりの人を思い続けことなどなかったのだから。

多くの人にとって結婚のイメージは、新婚当初の甘いものだろう。
が、わたしは違う。年老いたふたりが変わらず寄り添えるかという人生レベルの課題だ。
わたしにはひと組のお手本がいた。市営自転車置き場の係員のおじいさんだ。
わたしたちが知り合ったときには(単なる駐輪利用者ながらも勝手に知り合い)、既におじいさんだった。シルバー人材の人とかそういう年代の人。
その自転車置き場はずっと荒れていた。係員の人々は利用者に挨拶なんか絶対返さない。それどころか面倒くさそうに無視したり、監視員Onlyのプレハブ小屋の中、TVをじっと見ているだけだった。
そんな空気の中、新参者のそのおじいさんは決まって「おはよう」「おかえり」を言ってくれた。挨拶だけ。
ところがその必ずしてくれる力強い挨拶ほど、当時のわたしの心を癒してくれたものはなかった。職場で堪えていた神経がほどけ、暗い夜道に涙ながら自転車を漕ぐ自分が少なからずいたのだ。
その後、彼はその真面目な勤務態度と朴訥な人柄で、すっかりとその自転車置き場の空気とカラーを変えてしまった。
これに影響され、他の係員さんも大半の利用者も、互いに挨拶する習慣を身に着けていったのだ。

理想のカップルになれるかしら?

そして何年か経ったある日。わたしは久々にそのおじいさんを町で目撃した。奥さまだろうおばあさんと、地元の銀行前を歩いていたのだ。ハッとしてなぜか隠れる。
相手はわたしなぞ知らないだろうが、物陰からじっと観察。
ふたりはごく自然体だった。欧米のカップルのようにくっつき合ってるって風情でもなく、道に段差があればどちらかがどちらかの肘を何気につかんで庇い合っている。
そんなごくありふれた老年のカップル。でもわたしは目の前のこの老々カップルに心底憧れた。
華美な服装でもなく、立派な社会的地位もない。でもわたしはおじいさんのあの自転車置き場での日々の姿を思い出す。
人が見ていようがいまいが、黙々と自転車を整理していた生真面目な背中。子ども相手に見せた温かで素朴な笑顔。
誰に対しても分け隔てなく接するその姿勢に潜む、どっかしら男気ある反骨精神。
きっと家庭でもああいう風に挨拶してくれる人なんだろう。温かく力強く励ましてくれる人なんだろう。それはまさにわたしの理想の夫像。いそうでいない理想の夫だった。
わたしはいま一度おばあさんをチェックする。さしたる美人って顔立ちでもなし、とりたてて気立てが良さそうって雰囲気でもなし。
チェっと舌打ちしたくなった。幸運な人というのは概してそれに気づいていないのだ。

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